カテゴリー

2024年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 太宰治に搦む中也by檀一雄 | トップページ | 太宰治に搦む中也by檀一雄その2 »

2008年6月 8日 (日)

汚れつちまつた悲しみに…/悲しみの世界性

038h

ここできちんと
「汚れちつまつた悲しみに…」
原作に触れておきましょう
願わくば
声に出して読んでみましょう。

汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日は風さえ吹きすぎる

汚れつちまつた悲しみは
たとえば狐の革
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる

汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む

汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる…

もはや
世界に通用する悲しみといって過言ではない
日本語で表された悲しみは
いかなる悲しみも追随できません

この悲しみは
味わうことしか
経験できない
感じることしか
味わえない
いかなる解釈も
撥ね退ける
悲しみであります

これは
だれにでも
感じることのできる
感情です
素朴な読者=大衆は
これを感じます

感じることができます。

« 太宰治に搦む中也by檀一雄 | トップページ | 太宰治に搦む中也by檀一雄その2 »

0001はじめての中原中也」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 汚れつちまつた悲しみに…/悲しみの世界性:

« 太宰治に搦む中也by檀一雄 | トップページ | 太宰治に搦む中也by檀一雄その2 »