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2008年6月17日 (火)

茶色い戦争ありました/サーカス

20070503_006

茶色い戦争、と読んで
わかったような感じがしますが
なかなかです。

過去には
戦争もあったなあ
疾風の吹く冬もあったなあ
いまじっとそんな過去を回想している自分は
一杯ひっかけて盛り上がっているのです

殷という中国古代都市国家の賑わい
殷賑を極める、という熟語があります
その殷の字をここで使っているのですね

一杯やっているのは
屋外の野原かどこかで
きっと一人なのでしょう

突如、サーカス小屋が目の前に現れ
ブランコが揺れはじめます……

……

ゆあーん ゆよーん

……

というような読みもできるかな
ぜんぜん違っているかもしれません。

 *

 サーカス

幾時代かがありまして
  茶色い戦争ありました

幾時代かがありまして
  冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
  今夜此処(ここ)での一(ひ)と殷盛(さか)り
    今夜此処での一と殷盛り

サーカス小屋は高い梁(はり)
  そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒(さか)さに手を垂れて
  汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

それの近くの白い灯が
  安値(やす)いリボンと息を吐き

観客様はみな鰯(いわし)
  咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻(かきがら)と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

屋外(やぐわい)は真ッ闇(くら) 闇(くら)の闇(くら)
夜は劫々と更けまする
落下傘奴(らくかがさめ)のノスタルヂアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

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