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2008年7月 8日 (火)

月/詩人の悲しみ

Tuki

初期詩篇で一つだけ
読まなかった詩があります。
初期詩篇の2番目。
「山羊の歌」全体から見ても
2番目に置かれた
「月」という作品です。

ダダの詩です。

だからといって
恐れることはありません。

詩を読んで
苦しむことはありません。
もし苦しんでいるのなら
何かが間違っていますよ!

ダダの詩なら
いっそ楽しみたいですね。

中也の作品としては初期のもの。
であるがゆえに
ダダである上
若い(=青い)作品といえるかもしれません。

でも詩句を何度も追っているうちに
見えてくるものがあります。
ある形みたいなものが
浮かび上がってきて
やっぱり中也だと見直します。

4-4-3-3の14行詩
ソネットの形。

各連に「月」の1字が見えます。
その月を見比べると……。

1連は、月はいよいよ悲しく
2連は、物憂く煙草を吸っている
3連は、汚辱に浸る月
4連は、月は待っている

月は詩人自らのことと
想像できるでしょう。

1連の4行は、悲しい理由
2連の4行は、戦地のイメージか
3連の4行は、天女が舞い元気づけようとし
4連の4行は、慰められない詩人が、
       星々に向かって
       自らへの裁断を呼びかけます

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