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2010年4月25日 (日)

草稿詩篇1933―1936<2>小唄

「草稿詩篇」(1933年―1936年)の
2番目にある作品「小唄」は
1933年2月17日制作の日付が
末尾にあります

1936年(昭和11年)制作(推定)の
「小唄二篇」の第2節に
そのまま生かされる詩です
つまり、一次形態です

この詩を作ってまもなくの
1933年(昭和8年)4月末に制作(推定)した
(とにもかくにも春である)のエピグラフに
「此の年、三原山に、自殺する者多かりき」とあり、
三原山火口での自殺を
新聞などのニュースで
詩人は聞き知っていたことが想像されます

2月の
雪の降った日の翌朝に
詩人は寝床の中で
ぼんやりと
タバコをふかしながら
三原山を思います

もくもくと
立ちのぼる煙……

行ったことはないけれど
僕は知っている

もくもくと
立ちのぼる煙は……

あれは……

詩人は、
煙が
単なる火山の煙には
思えませんでした

あれは……

 *
 小唄

僕は知つてる煙(けむ)が立つ
 三原山には煙が立つ

行つてみたではないけれど
 雪降り積つた朝(あした)には

寝床の中で呆然(ぼうぜん)と
 煙草くゆらせ僕思ふ

三原山には煙が立つ
 三原山には煙が立つ

      (一九三三.二.一七)

(角川ソフィア文庫「中原中也全詩集」より)

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