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2010年4月10日 (土)

千葉寺雑記の詩篇<2>(短歌五首)

28457

「千葉寺雑記」は、
中原中也が入院していた中村古峡療養所が
千葉市千葉寺町にあったことから
当時使用していたノートを
詩人自らが命名したものですが、
ここに記された韻文(定型詩)は
「未発表詩篇」に分類・収集され、
散文は、
日記の中に分類・収集されています

結果、
「道修山夜曲」のほかに、
(短歌五首)
「泣くな心」
「雨が降るぞえ」が
「千葉寺雑記」に集められました

(短歌五首)は、
角川版全集の編集者が
仮につけたもので、
詩人の命名によるものではありません

詩人は、
小学校時代から
山口県の地方新聞である
「防長新聞」の短歌欄へ投稿し、
中学校3年になった大正11年4月には
合同歌集「末黒野」(すぐるの)を発行(推定)、
中の一部「温泉集」28首を詠んでいるほどに
短歌は親しみのある表現形式です

「生前発表詩篇」にも
「初期短歌」107首が収集されていますし
詩人の文学的出発は短歌だった、
ということを
忘れるわけにはいきません

昭和12年2月初旬の制作(推定)
ということは、
誕生日前ですから
29歳の作品ということになりますが

力みがなく
一筆書きで一気に書いたような
伸びやかな響きは
だれにもやすやすと作れるものではなく
随所に
ポエジーをさえ見出すことができます

そんな5首です

母に宛てた歌の通り
われはもはやも病ひ癒えたり、
の状態に
詩人は立っているのです

 
 
  *
 (短歌五首)

ゆふべゆふべ我が家恋しくおもゆなり
 草葉ゆすりて木枯の吹く

小田の水沈む夕陽にきららめく
 きららめきつゝ沈みゆくなり

沈みゆく夕陽いとしも海の果て
 かゞやきまさり沈みゆくかも

町々は夕陽を浴びて金(きん)の色
 きさらぎ二月冷たい金なり

母君よ涙のごひて見給へな
 われはもはやも病ひ癒えたり

(角川ソフィア文庫「中原中也全詩集」より)

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