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2011年7月13日 (水)

ラフォルグ<4>/はかない茶番

「でぶっちょの子供の歌へる」は
中原中也の面目躍如といった感じの作品で
幼児を主語にした内容もピタリ
ルフラン(繰り返し)や
呪文のようなオノマトペのような
ラ リ レット!といったセリフも
まるで
中原中也の世界のようで
翻訳とは思えないほどですし

ホラ、ね、鳴ってら、僕の心臓

このフレーズは

ホラホラ、これが僕の骨だ
(「骨」)

に、一直線に繋がっていくようで
わくわくドキドキしてきてしまいますね。

立ち止まってじっくり味わいたいのですが
それは
もう少しラフォルグの全体像を
つかんでからということにします。

「謝肉祭の夜」、
「でぶっちょの子供の歌へる」の次は
「はかない茶番」。
この3作品は
「地球のすすり泣き」のタイトルで
ひとまとめにされる計画のあった
ラフォルグ初期の詩群の一つ。

原作品は
12音節詩句=アレクサンドランで作られた
ソネットということです。
(以上、新全集第3巻翻訳 解題篇より)

とにかく
作品を読んでみます。

(つづく)

 *
はかない茶番

          ジュール・ラフォルグ

バベルを幾つ集めても、威張つた所で泣いた所で、
人間という夢想家は、一小世界の蛆虫(うじむし)と、
とくと考へみるほどに、あんまし滑稽で仕方がない、
いくら考へ直してみても、いつも結局おなじこと。

それ劫初、涯なき海が造られてより、
天辺は、いつも変らぬ無辺際、
恒星は、続々々々繁殖し、その各々が
人畜棲息の惑星を、夫々引率れてゐるといふわけ……

いやはや言語道断な! これではあんまり可笑(おか)しくて!
と、不感無覚の空にむけ、俺は拳固を振上げた!
空の奴、随分俺を騙(だま)しをつたな?

誤魔化したつて知つてるぞ、我が此の地球は、
壮観な、宇宙讃歌(ホザナ・ホザナ)のその中で、
茶番の掛かる、たかゞ芝居の小屋ではないか。

(「中原中也全訳詩集」講談社文芸文庫より)

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