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2012年1月23日 (月)

新春に読んでおきたい中原中也の詩・その19「雪が降ってゐる……」

 雪が降ってゐる……

雪が降ってゐる、
  とほくを。
雪が降ってゐる、
  とほくを。
捨てられた羊かなんぞのように
  とほくを、
雪が降ってゐる、
  とほくを。
たかい空から、
  とほくを、
とほくを
  とほくを、
お寺の屋根にも、
  それから、
お寺の森にも、
  それから、
たえまもなしに。
  空から、
雪が降ってゐる
  それから、
兵営にゆく道にも、
  それから、
日が暮れかゝる、
  それから、
喇叭(らつぱ)がきこえる。
  それから、
雪が降ってゐる、
  なほも。
  (一九二九・二・一八)

(角川ソフィア文庫「中原中也全詩集」より)

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