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2013年1月22日 (火)

ひとくちメモ/中原中也の詩に現われる色の色々9

(前回からつづく)

「ノート1924」は
中原中也が残した最も古いノート。
これを使用していた時期に
長谷川泰子と同棲し
京都を訪れた富永太郎と知り合っています。

使用されたのは京都時代ばかりではなく
上京して、幻となった第1詩集を編集した昭和2~3年にも使用されています。

ダダから脱け出そうとしていた過渡期の作品といえる時期に
「浮浪歌」以下7篇がこのノートに記されました。

そこに現われた「色」を拾います。

◇

「浮浪歌」
こんなに暖い土色の
代証人の背の色

「無題」
あなたより 白き虹より

(秋の日を歩み疲れて)
川果の 灰に光りて

「秋の日」
秋の日は 白き物音

黒き石 興をおさめて

「無題」
緋のいろに心はなごみ

金色の胸綬(コルセット)して

死の神の黒き涙腺

緋の色に心休まる

◇

この時期にはまた泰子との別離がありました。
泰子は小林秀雄のもとへと去りました。
その影響が「色」にあるかどうか。
とうていそんなことは突き止められませんが
詩に変化が見られることは確かです。

とはいえ「むなしさ」や「朝の歌」がすでに歌われていたにもかかわらず
ダダの匂いがぷんぷんしています。

「死の神の黒き涙腺」など
ダダそのものですが
詩の方向はダダならぬものにありました。

(つづく)

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