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2015年11月 4日 (水)

茨木のり子厳選の恋愛詩・初めての高良留美子/「海鳴り」

 (前からつづく)

 

「恋唄」の章で

男性の詩ばかりを読んできた茨木のり子は

最後に女性の恋歌を読みます。

 

女のひとの詩も少し読みましょう。

――と、その入り方(筆致)は実にさりげないものですが

 「万葉集」以来の女歌の歴史の中に

現代女性の恋歌を位置づけて(比較して)

「はるかに光ったものを発見」するのです。

 

 

最初に登場するのが高良留美子(こうら・るみこ)の次の詩です。

 

 

 

海鳴り

 

 

ふたつの乳房に

静かに漲(みなぎ)ってくるものがあるとき

わたしは遠くに

かすかな海鳴りの音を聴く。

 

月の力に引き寄せられて

地球の裏側から満ちてくる海

その繰り返す波に

わたしの砂地は洗われつづける。

 

そうやって いつまでも

わたしは待つ

夫や子どもたちが駈けてきて

世界の夢の渚(なぎさ)で遊ぶのを。

 

         ――詩集「見えない地面の上で」

 

(岩波ジュニア新書「詩のこころを読む」より。)

 

 

 

はじめ、いったいこの詩の

どこが恋愛詩なのだろう?という疑問を禁じえませんでした。

 

実を言うとその解読のために

この1か月以上を費やしてきました。

 

今少しづつ少しづつ

この詩人の大きさが見えてきて

茨木のり子が取り上げた「詩のこころ」が

少しづつ分かってきたところ――と言うのは早すぎるでしょうか。

 

この詩人の詩や評論のほんの一部をかじって

現在進行中ですが

その苦闘さながらの読みを記しておくのも

それほど無意味ではない、きっと。

 

そう思って

えいや、と「初めて読む高良留美子」をはじめます。

 

 

 

途中ですが

今回はここまで。

 

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