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2015年11月 9日 (月)

茨木のり子厳選の恋愛詩・初めての高良留美子/「海鳴り」3

(前回からつづく)

 

「海鳴り」という詩もまた

何度も何度も読み

繰り返し、時を置いて読んでいると

少しわかってくるようなところがあるのは

すべての詩に共通する味わい方の一つでしょう。

 

 

ふたつの乳房に静かにみなぎってくるものがあるときに

耳を澄ませば聴こえてくる海鳴りの音――。

 

それを男性は実感することはできないのですが

詩語・詩行に沿って

想像力のありったけをしぼってみれば

それに近い状態をしのぶことができそうでもあります。

 

海鳴りが聴こえてくる状態を

想像できるような感覚。

 

 

それは男女の違いを認識する瞬間でありますが

不思議なことに

どう考えても同じ生物であることの内の違いであることを知る瞬間でもあります。

 

遠い存在、遠い聖域でありながら

どこか分身でもあるような、

仲間であるような

ホモサピエンスとして同列のはずであるという、

妙な感覚。

 

……。

 

 

やはりここで茨木のり子の力を借りましょう。

 

もやもやとしたものが残るのを

スカッとさせてくれますから。

 

茨木のり子は次のように

きっぱりとまとめてくれます。

 

 

月の満ち欠けに関係ありと言われてきた女の生理現象を、

第1連、第2連で触れています。

 

男よりも、より自然に近い女のからだのリズム、

そのようなリズムをくりかえしていながら、

心はどうあれ、

からだは月々確実に待っているのです。

 

(「詩のこころを読む」より。改行を入れました。編者。)

 

 

第1連、第2連までの読みを

こんなにも簡潔に的確に言い表すことができるのは

やはり女性だからでしょうか。

翳(かげ)りというものが微塵(みじん)もありません。



第3連へ読み進めては

この詩の価値(新しさ)がさらに浮き彫りにされます。

 

 

途中ですが

今回はここまで。

 

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