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2016年2月18日 (木)

茨木のり子厳選の恋愛詩・初めての高良留美子/詩集「生徒と鳥」の「風」

(前回からつづく)


(茨木のり子の読みを離れています。編者。)

 

 

 

詩集タイトルが「生徒と鳥」であり

タイトル詩に(1)と(2)があり

その間に挟まれているのが

「塔」と「風」であるとき

否が応でも(いやがおうでも)

その間にあるものに目を奪われないわけにはまいりません。

 

その上、「塔」は

詩人自ら度々言及するいわれのある詩ですから

勢い目を凝(こ)らして読んでいますが

芯に至れば至るほど謎が沸き起こり

ますます目を離せません。

 

詩の芯には

決して触れることのできない穴(のようなもの)があって

数式を解くようには掴めないことになっているとでもいうかのように

詩は謎のままです。

 

 

ということになって

「風」に目を向けてみる気になります。

 

 

 

夜の家並みをぬって風が吹く

枯れ枝を鳴らし

街かどで渦まきながら。

 

石壁の前で、風はとつぜん立ちどまる

壁にしみだした黒いしみ、

そこに一人の少女が立っている。

 

石壁のなかに消えた少女、

その油気のない髪の毛のなかを吹きぬけながら

その背の高さで、風もまた少しずつ死んでいく。

 

そして風の死に絶えたあと、夜の街かどで

一つの名前の断片と、一つの音から

別のものがたりの発端がはじまる。

 

(思潮社「高良留美子詩集」所収「生徒と鳥」より。)

 

 

一読して

どこかで見覚えのある感覚が起こるのは

すぐさま「わが二十歳のエチュード」中の「作品」の

最後に置かれた詩「雲と銀杏」です。

 

そこに、

 

荒れ狂う風に

雲をむち打ってばりばり鳴った

――とあった風です。

 

「塔」に続く詩に現れる風です。

 

この風が

詩集「生徒と鳥」の「風」につながります。

 

 

こちらでは

風は主格ですが……。

 

詩は

通常ではない世界に踏み込むような

これまでの詩の方法とは異なった

シュールな詩行を生み出します。

 

 

第2連、

石壁の前で、風はとつぜん立ちどまる

――というあたりは

風が立ちどまるという通常の擬人法ですが

 

第3連、

石壁のなかに消えた少女

――となると

詩の表現は一線を越えています。

 

 

途中ですが 

今回はここまで。

 

 

 

 

 

 

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