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2016年2月15日 (月)

茨木のり子厳選の恋愛詩・初めての高良留美子/「生徒と鳥(1)」続

(前回からつづく)

 

 

 

(茨木のり子の読みを離れています。編者。)

 

 

 

 

 

「生徒と鳥(1)」は

完全な行分け詩でもなく

完全な散文詩でもなく

散文詩が改行(1行空き)を加えられ

結果、連の形を持った散文詩になっていて

「塔」と似た構造の詩です。

 

 

連と連の間には

時間と空間の転換があり

場面が展開しますから

4連の詩と読めば

ここでも起承転結の流れを読むことになりますが

それでいいのかはわかりません。

 

 

意味やメッセージを追うことができる詩なのか

そもそもそのあたりがわかりませんが

意味を否定する詩ではなさそうですから

追いかけてみますと――。

 

 

主格のかれ・生徒の行動が記述されています。

 

生徒だから教師がいて

教師が生徒をどこかへ連れて行く途中で

鳥に会ったところで

詩の表面からは消えてしまいます。

 

生徒に重要なのは鳥であることを引き立たせるためにだけ

教師は現れたかのようです。

 

生徒は

眼の大きい、脚の太い古代の鳥にあいさつし

一緒に歩きだします。

 

第1連は

このような「物語」のはじまり(起)です。

 

 

鳥と生徒は、

砂漠の中の国へ行きます。

 

そこでは、はだしの黒い男たちが荷を運んでいる。

 

ここまでは自然な描写のようですが

次の1行から尋常ではない風景が立ち現われます。

 

広場があり立派な建物があるけれど誰も住んでいないところに

扇風機が回っていて

骸骨の形をした男たちは

くさいところで

裸で眠るのです。

 

黒い男たちのほかに

骸骨の形をした男たちが出てきます。

 

(ここで1字下げで改行され、1行空きではないけれど、第3連の形になります。)

 

 

重い荷物が砂漠の中を運ばれ、海の遠くの国へ運ばれた、

だが、すべては黒い男たちの知らないことだった。

――と第3連は、やや引いた感じで語られ、

続けて、最終連。

 

生徒は

物乞いする、足の萎(な)えた少年の眼の中に

黒い大洋を見た

――と閉じるのです。

 

 

物乞いする足なえの少年は

どこかリアルな存在感があります。

 

その少年の眼の中に映る黒い大洋が

想像力を刺激します。

 

 

砂漠の中の国

誰も住まない広場の立派な建物

ひとり回る扇風機

骸骨の形した男たち

くさいところ

……と

夢の記述かと思わせるようなメタファーの連続が

俄(にわ)かに現実味を帯びるような感覚を起こさせます。

 

 

黒い男たちの「黒」と

「黒い大洋」の「黒」が

錯綜(さくそう)し反響するのが妙です。

 

絶妙ですし

謎です。

 

 

途中ですが 

今回はここまで。

 

 

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