カテゴリー

2024年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 茨木のり子厳選の恋愛詩/滝口雅子を知っていますか? アウトライン「青春の詩集」 | トップページ | 滝口雅子アウトライン特別編/茨木のり子の恋愛詩「私のカメラ」 »

2016年3月28日 (月)

茨木のり子厳選の恋愛詩/滝口雅子を知っていますか? アウトライン「青春の詩集」その2

(前回からつづく)

 

 

 

(茨木のり子の読みを離れています。編者。)

 

 

 

野薔薇は、少年に手折られるために咲いていたのか?

 

永遠のアポリア(答えの出ない問い)に

ゲーテが出した答えは?

 

滝口雅子は

はぐらかすことなく

ゲーテの答えを明かします。

 

然り(イエス)、と。

 

 

そうだったのだ!

 

若き日に

そういう答えまで確認して読んだものだった。

 

その記憶がよみがえるのを感じながら

それから半世紀。

 

滝口雅子の案内で

ふたたび青春の時の回廊へ踏み込んでは

ああ、とか、おお、とか

深い悔いのうめき声(感嘆)をあげても

だれも咎(とが)めることはないでしょう。

 

 

「青春の詩集」のページに

もう少し分け入って

作品と詩人を見てみましょう――

 

<1 青春をさすらうあなたに>

 

さびしき野辺(立原道造)

またある夜に(同)

小異異情(室生犀星)

山のあなた(カール・ブッセ)

旅上(萩原朔太郎)

利根の松原(同)

体操(村野四郎)

花(ポール・エリュアール)

 

<2 恋にめざめるあなたに>

 

「愛」より(リルケ)

ある少女が歌う(同)

まっかなイチゴの木(上田保)

野薔薇(ゲーテ)

忘れたるにあらねども(サッフォ)

初恋(島崎藤村)

逢ひて来し夜は(室生犀星)

幻影(吉行理恵)

ノンレトリック(新川和江)

 

<3 恋のよろこび>

 

緑(D・H・ロレンス)

私のカメラ(茨木のり子)

薔薇(オプストフェルダー)

歌曲(ノエル)

いとうるわしの五月(ハイネ)

わが涙したたらば(同)

わが頬に頬を(同)

君がひとみに(同)

ぼくは彼女の目をふさいで(同)

庭(プレヴェール)

サアヂの薔薇(ヴァルモオル夫人)

猫(ボードレール)

何もかも(同)

ふきあげ(同)

野生の桃(ワイリー)

 

<4 恋のかなしみ>

 

夜汽車(萩原朔太郎)

昨日にまさる恋しさの(同)

願い(ヘッセ)

美しい人(同)

せつない日々(同)

雪(グウルモン)

あなたも単に(黒田三郎)

淋しき二重(鮎川信夫)

 

<5 恋のおわり>

 

青年が夜明けの五時に(E・ケストナー)

かのひと去りてより(ハイネ)

鎮静剤(ローランサン)

ミラボー橋(アポリネール)

哀しみ(カトリーヌ・バァラ)

最期の詩篇(ロベール・デスノス)

別離(ポール・フォール)

変らぬこころ(ルネ・シャール)

 

<6 孤独なあなたに>

 

落葉(ヴェルレーヌ)

都に雨の降るごとく(同)

あんずの木(ブレヒト)

海(ミショー)

二十億年の孤独(谷川俊太郎)

千鳥と遊ぶ智恵子(高村光太郎)

秋の接吻(滝口雅子)

 

――という内容(ラインアップ)です。

 

これが滝口雅子厳選の恋愛詩です、50年前の。

 

 

道造、犀星、朔太郎、村野四郎

島崎藤村

吉行理恵、新川和江、茨木のり子

黒田三郎、鮎川信夫

高村光太郎

谷川俊太郎、滝口雅子本人

……と絞らざるを得なかった(であろう)にしては、

近現代日本の詩人の恋歌もバランスが取れていることがわかります。

 

この中にある女性詩人、

吉行理恵、新川和江、茨木のり子、滝口雅子

――の4人の名があることに引かれるのは

これが滝口雅子の眼にかなった恋愛詩であるからにほかなりません。

 

 

途中ですが

今回はここまで。 

 

 

« 茨木のり子厳選の恋愛詩/滝口雅子を知っていますか? アウトライン「青春の詩集」 | トップページ | 滝口雅子アウトライン特別編/茨木のり子の恋愛詩「私のカメラ」 »

113戦後詩の海へ/茨木のり子の案内で/滝口雅子」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 茨木のり子厳選の恋愛詩/滝口雅子を知っていますか? アウトライン「青春の詩集」 | トップページ | 滝口雅子アウトライン特別編/茨木のり子の恋愛詩「私のカメラ」 »