茨木のり子厳選の恋愛詩/滝口雅子を知っていますか? アウトライン・7つの詩集
(前回からつづく)
滝口雅子の名前を一般の読者が知るのは
他でもない茨木のり子の「詩のこころを読む」の中でであり
「恋唄」章中の「男について」と「秋の接吻」の2作品であり、
続けて他の詩を読もうとしてもなかなか見当たらず
書棚の奥から「現代詩人全集第10巻」(角川文庫、1963年初版)を引っ張り出し
鮎川信夫選の12篇をようやく見つけ
一通りそれらを読んでのちに
もっと多くを読みたくなって
日本現代詩文庫13「滝口雅子詩集」(土曜美術社、1984年)を買い求める
――というような経緯をたどるのがありふれたケースではないでしょうか。
(もちろん、ほかのケースもあることでしょうが。)
角川文庫の「現代詩人全集」も
土曜美術社の「現代詩文庫13」も
新刊書店ではとうになく
古書店で探すことになりますから
そんな面倒をするよりも
新・日本現代詩文庫21「新編滝口雅子詩集」を新本で購入することになるでしょう。
「蒼い馬」や「鋼鉄の足」などの単刊詩集は
新刊本店にあるはずもなく
普通の古書店でも見つけられませんから
神田あたりの詩誌専門の書店へのアクセスが必要になります。
以上のすべての手続きを
アマゾンとか
日本の古本屋やスーパー源氏で行う人もあることでしょう。
◇
このブログでは
茨木のり子に誘われて
高良留美子を読んだ(一部をかじった)流れの中に
滝口雅子(そして新川和江)があり
「高良留美子詩集」(思潮社)中の小自伝「廃墟のなかから」には
1969年創刊の詩誌「蛸」で滝口雅子と高良留美子とは創刊メンバーであったことが記され
また巻末には滝口雅子の「高良留美子さん」という詩人論も収録されてあるなど
二人の詩人の接続する関係が明らかにされているので
自然に引き込まれる経過になりました。
◇
そして
新・日本現代詩文庫21「新編滝口雅子詩集」では
高良留美子による卓抜な作品論「滝口雅子さんの詩について」を読めることになっています。
同詩集にはほかに
詩人の最期の記録を含んだ作品論「海底をくぐった瞳―滝口雅子の詩を読む―」(白井知子)があり
滝口雅子を一般読者へ親しく案内していてこれも要必読です。
滝口雅子に関しての記述は
同詩集以外に読むことは容易ではなく
巻末資料「滝口雅子年譜」「滝口雅子 著作一覧」とともに
極めて貴重なテキストという現状になります。
◇
同詩集の巻末資料によって
ここで滝口雅子のアウトラインをつかんでおきましょう。
◇
滝口雅子は
生涯に7冊の詩集を出しています。
蒼い馬 1955年
鋼鉄の足 1960年
窓ひらく 1963年
見る 1967年
白い夜 1974年
赤煉瓦の家 1981年
雨のプラタナス 1990年
――というラインアップですが
このほかに日本現代詩文庫13「滝口雅子詩集」(1984年、土曜美術社)があることになります。
散文(エッセイ・評論)には
青春の詩集 1967年
わがこころの詩人たち 1971年
おんなの性 1973年
――があります。
◇
途中ですが
今回はここまで。
« 茨木のり子厳選の恋愛詩/滝口雅子を知っていますか? 「秋の接吻」続 | トップページ | 茨木のり子厳選の恋愛詩/滝口雅子を知っていますか? アウトライン・鮎川信夫の読み »
「113戦後詩の海へ/茨木のり子の案内で/滝口雅子」カテゴリの記事
- 滝口雅子を知っていますか?/詩集「蒼い馬」/「死と愛」の流れ・追補2(2016.09.16)
- 滝口雅子を知っていますか?/詩集「蒼い馬」/「死と愛」の流れ・追補(2016.09.14)
- 滝口雅子を知っていますか?/詩集「蒼い馬」/「死と愛」の流れ・その2(2016.09.04)
- 滝口雅子を知っていますか?/詩集「蒼い馬」/「死と愛」の流れ(2016.09.01)
- 滝口雅子を知っていますか?/詩集「蒼い馬」/「窓」の役割(2016.08.28)
« 茨木のり子厳選の恋愛詩/滝口雅子を知っていますか? 「秋の接吻」続 | トップページ | 茨木のり子厳選の恋愛詩/滝口雅子を知っていますか? アウトライン・鮎川信夫の読み »
コメント