新川和江・抒情の源流/詩人の来歴・その1/詩集
詩人の誕生の経緯(いきさつ)を知りたくなり
来歴を知りたくなってくるのは
作品にある程度触れて後のことであって
多少、余裕が生まれてくるからで
毎日のように読みはじめて1か月あまり。
詩世界に没入するなかで
詩人の全体像とまでいかなくとも
詩人の発表詩集の全容を知りたくなってきます。
◇
「ブック・エンド」には
立ち去りがたい詩が犇(ひし)めいていますが
このようなわけで
先を急ぐことにします。
15歳から70年を超える活動歴は
広範、多彩ですから
まずは、詩集発表の歴史(アウトライン)を整理します。
詩人、新川和江はすでに
2000年4月に「新川和江全詩集」(花神社)を発表していますから
この全詩集をひもとくのが順序でしょう。
2000年以降は
単行詩集その他での整理になります。
◇
「全詩集」のもくじをのぞいてみましょう。
詩を詩集と幼年・少年少女詩篇に大別し
散文(エッセイ)を除く発表詩篇が一覧できます。
まず詩集――。
【詩集】
※詩作品以外の記事があれば記載しました。
※( )は章立てを示します。
※●はブログ筆者注。選集・アンソロジーですから、初出詩篇だけを収録されています。
睡り椅子(雪の蝶/都会の靴/昨日の時計)、序・西條八十、後記
1953
絵本「永遠」
1959
ひとつの夏 たくさんの夏 解説・木原孝一、ノート
1963
ローマの秋・その他
1965
比喩でなく(Ⅰ比喩でなく Ⅱ午後の庭)
1968
つるのアケビの日記
1971
日本の詩集20 新川和江詩集 初出詩篇●
1973
土へのオード13(Ⅰわたしは傷を… Ⅱ土へのオード13)、大岡信・新川和江の詩、あとがき
1974
現代詩文庫「新川和江詩集」初出詩篇●
1975
火へのオード18
1977
夢のうちそと(Ⅰ Ⅱ Ⅲ) あとがき
1978
水へのオード16 あとがき
1980
渚にて 初出詩篇●
1982
現代詩文庫「新選新川和江詩集」初出詩篇●
1983
ひきわり麦抄 後書にかえて
1986
花神ブックス「新川和江」初出詩篇●
1986
はね橋(Ⅰ Ⅱ Ⅲ)
1990
春とおないどし 抄
1991
潮の庭から ※詩人加島祥造との共著です。
1993
けさの陽に(Ⅰ Ⅱ Ⅲ)
1997
はたはたと頁(ページ)がめくれ(Ⅰ Ⅱ)
1999
◇
2000年以後は、
人体詩抄(2005年)
記憶する水(2007年)
ブック・エンド(2013年)
――と続いています。
なお、現代詩文庫「新選新川和江詩集」(1983)は
のちに「続・新川和江詩集」(1995)と書名変更され
現代詩文庫「新川和江詩集」(1975)にはじまる選集を引き継いだもので
さらに「続続・新川和江詩集」(2015)へと続きます。
◇
途中ですが
今回はここまで。
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