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2017年2月 7日 (火)

立原道造の詩を読む/第2詩集「暁と夕の詩」から「失はれた夜に」

 

 

立原道造の中原中也への追悼文「別離」を読んで

 

いま、空虚な気持ちがあるのは

 

立原道造の詩を読んでいないからであると気づきます。

 

 

 

というわけもありますから

 

幾つか読むことにしました。

 

 

 

 

 

 

立原道造が中原中也の「無題」から引用し

 

自らの詩「ある不思議なよろこびに」のエピグラフ(題詞)としたのは

 

「四季」1936年6月号でした。

 

 

 

この詩が

 

第2詩集「暁と夕の詩」に収録された時に

 

「失はれた夜に」と改題され

 

エピグラフも削除されました。

 

 

 

 

 

 

失はれた夜に

 

 

 

灼(や)けた瞳が 灼けてゐた

 

青い眸(ひとみ)でも 茶色の瞳でも

 

なかつた きらきらしては

 

僕の心を つきさした

 

 

 

泣かさうとでもいふやうに

 

しかし 泣かしはしなかつた

 

きらきら 僕を撫(な)でてゐた

 

甘つたれた僕の心を嘗(な)めていた

 

 

 

灼けた瞳は 動かなかつた

 

青い眸でも 茶色の瞳でも

 

あるかのやうに いつまでも

 

 

 

灼けた瞳は しづかであつた!

 

太陽や香のいい草のことなど忘れてしまひ

 

ただかなしげに きらきら きらきら 灼けてゐた

 

 

 

(岩波文庫「立原道造詩集」より。適宜、ルビを加えました。編者。)

 

 

 

 

 

 

【現代表記】

 

 

 

失われた夜に

 

 

 

灼(や)けた瞳が 灼けていた

 

青い眸(ひとみ)でも 茶色の瞳でも

 

なかった きらきらしては

 

僕の心を つきさした

 

 

 

泣かそうとでもいうように

 

しかし 泣かしはしなかった

 

きらきら 僕を撫(な)でていた

 

甘ったれた僕の心を嘗(な)めていた

 

 

 

灼けた瞳は 動かなかった

 

青い眸でも 茶色の瞳でも

 

あるかのように いつまでも

 

 

 

灼けた瞳は しずかであった!

 

太陽や香のいい草のことなど忘れてしまい

 

ただかなしげに きらきら きらきら 灼けていた

 

 

 

 

 

 

「ある不思議なよろこびに」には

 

タイトルに続いて、

 

 

 

戸の外の、寒い朝らしい気配を感じながら

 

私はおまへのやさしさを思ひ……

 

       ――中原中也の詩から

 

――と中也の詩「無題」の1節が引用されていました。

 

 

 

 

 

 

つづく。

 

 

 

 

 

 

 

 

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