カテゴリー

2024年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 新川和江・抒情の源流/「睡り椅子」の世界/「晩春秘唱」の別れ | トップページ | 作詞・松本隆、作曲・つんく♂の「砂時計」のイメージは中也「北の海」 »

2017年4月11日 (火)

新川和江・抒情の源流/「睡り椅子」の世界/「別後歎唱」の別れ

 

 

とうに別れた相手のひとが

今もあなたを忘れていないと誰かに明かし

そのこころが風の便りに伝わってくる

 

それを知って

乙女のこころは

千々に乱れる。

 

「晩春秘唱」の

その後――。

 

 

別後歎唱

     ――そのことまことかは知らず、風の便りに

        君いまだわれを忘れ給はねときけば――

 

君が心知り得てうれしく

君が心知り得てかなしく

かかる日

春陽(しゅんよう)の且つ照り且つ曇るそのかげのごと

目無き魚(うお) いくたびかおろおろと

晦(くら)き水底の岩間をよぎる

 

(花神社「新川和江全詩集」所収「睡り椅子」より。)

 

 

「晩春秘唱」の「かのひと」は

ここでは「君」になり

いっそう男女のは距離は縮まっていますが。

 

わたしのことを好きでいてくれるのは

うれしい。

 

でも……。



何か

はっきりと言えない

こころの奥底にあるものがあるようです。

心は通じているのに

結ばれない

悲しい恋の歌です。

 

 

「睡り椅子」の終章「昨日の椅子」は

こうした悲恋歌が

咲き乱れます。

 

 

途中ですが

今回はここまで。

« 新川和江・抒情の源流/「睡り椅子」の世界/「晩春秘唱」の別れ | トップページ | 作詞・松本隆、作曲・つんく♂の「砂時計」のイメージは中也「北の海」 »

121新川和江・抒情の源流」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 新川和江・抒情の源流/「睡り椅子」の世界/「晩春秘唱」の別れ | トップページ | 作詞・松本隆、作曲・つんく♂の「砂時計」のイメージは中也「北の海」 »