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2017年5月13日 (土)

中原中也生誕110年に寄せて読む詩・その13/「わが喫煙」

 

 

傍(はた)から見れば

似合いのカップルでも

相手を不服に思うこころがあったり

破局が訪れている段階であったりするわけですが

この詩がどのような段階の恋であるのか。

 

 

わが喫煙

 

おまえのその、白い二本の脛(すね)が、

   夕暮(ゆうぐれ)、港の町の寒い夕暮、

にょきにょきと、ペエヴの上を歩むのだ。

   店々に灯(ひ)がついて、灯がついて、

 私がそれをみながら歩いていると、

   おまえが声をかけるのだ、

どっかにはいって憩(やす)みましょうよと。

 

そこで私は、橋や荷足を見残しながら、

   レストオランに這入(はい)るのだ――

わんわんいう喧騒(どよもし)、むっとするスチーム、

   さても此処(ここ)は別世界。

そこで私は、時宜(じぎ)にも合わないおまえの陽気な顔を眺め、

   かなしく煙草(たばこ)を吹かすのだ、

 

 一服(いっぷく)、一服、吹かすのだ……

 

(「新編中原中也全集」第1巻より。現代かなに変えました。)

 

 

絶頂を越えてしまった

恋であることは間違いなさそうです。

 

かなしく煙草をふかす詩人は

打つべき手がありません。

 

 

初出が「白痴群」第6号、

1930年(昭和5年)4月1日付けの発行です。

 

この年の1、2月もしくは前年の制作と推定されています。

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