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2017年5月 4日 (木)

中原中也生誕110年に寄せて読む詩・その5/「妹よ」

 

 

 

恋の絶唱といったからには

幾つもの詩が出て来てしまいます。

 

歴史的名品が

「山羊の歌」中にも

「在りし日の歌」の中にも

犇(ひしめ)めいています。

 

「妹」が

「盲目の秋」や「わが喫煙」と並んで

「少年時」の章に配置されているのには

詩人の秘かな意図があるようですが

それは詩を読んでいる時の中で

現われては消え

消えては現れるようにして

見えるだけです。

 

 

妹 よ

 

夜、うつくしい魂は涕(な)いて、

   ――かの女こそ正当(あたりき)なのに――

夜、うつくしい魂は涕いて、

   もう死んだっていいよう……というのであった。

 

湿った野原の黒い土、短い草の上を

  夜風は吹いて、 

死んだっていいよう、死んだっていいよう、と、

   うつくしい魂は涕くのであった。

 

夜、み空はたかく、吹く風はこまやかに

  ――祈るよりほか、わたくしに、すべはなかった……

 

(「新編中原中也全集」第1巻より。現代かなに変えました。)

 

 

恋する女性を

妹のように思うこころが訪れたのを

詩人は

何とか歌いたかったのでしょう。

 

 

1930年(昭和5年)1、2月の制作で

「時こそ今は……」と同じころですが

草稿が初めて作られたのは

それより1年ほど前のことと推定されてもいます。

 

 

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