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2018年1月 1日 (月)

年末年始に読む中原中也/春

新年の朝一番

トイレの窓から外を見ると

白い光に満ちた空です。

 

これが2018年1月1日の空だ。

 

眠りからまだ覚めていなくて

常とは違う神妙さがあるのは

なんだかおかしいですけれど

晴れてうれしい新年の朝です。

 

 

 

春は土と草とに新しい汗をかかせる。

その汗を乾かそうと、雲雀(ひばり)は空に隲(あが)る。

瓦屋根(かわらやね)今朝不平がない、

長い校舎から合唱(がっしょう)は空にあがる。

 

ああ、しずかだしずかだ。

めぐり来た、これが今年の私の春だ。

むかし私の胸摶(う)った希望は今日を、

厳(いか)めしい紺青(こあお)となって空から私に降りかかる。

 

そして私は呆気(ほうけ)てしまう、バカになってしまう

――薮かげの、小川か銀か小波(さざなみ)か?

薮(やぶ)かげの小川か銀か小波か?

 

大きい猫が頸ふりむけてぶきっちょに

一つの鈴をころばしている、

一つの鈴を、ころばして見ている。

 

(「新編中原中也全集」第1巻・詩Ⅰより。新かなに変えてあります。)

 

 

この詩の実際の季節は

新年ではありません。

 

雲雀の鳴く春ですが

自らに贈る気持ちを込めて

読んでおこうと

毎年毎年、浮んでくる頌歌です。

 

たまには

自分への贈り物も悪くはないでしょう。

 

中也も自身に贈った歌かも知れませんよ。

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