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2018年2月21日 (水)

中原中也・詩の宝島/ジュピター神の砲(ひづつ)/「冬の明け方」



朝4時半に起床すると
空はまだ漆黒の闇です。

まずは髭をそり
熱い茶をすすってから
昼の弁当をこしらえたりしているうちに
1時間ほどがあっという間に過ぎてゆきます。

家を出て
40分ほど歩くと職場の駐輪場につきます。

3日に1度のアルバイトで気楽なものといえば気楽ですが
冬場はそれなりに厳しいもので
天候が格別気になります。

東の空を見ては
雲の状態を確かめ
日の出を待望するのです。



2018年2月14日の日の出は6:29、
丁度始業の時刻です。

明日2月22日の日の出は
6:20ですから
およそ1週間で9分ほど早まっていることになります。

職場に入るのが6:15ころ、
準備して仕事につく6:30には
夜が明けて空が白むのです。



中原中也が「冬の朝」でさり気なく歌った
ジュピター神の砲(ひづつ)――。

その号砲が鳴り響く前の
静寂。

陽光を待望する
ものみな謙抑(けんよく)の時。

おお、ジュピター!

陽が現われる瞬間の
歓喜。



今回はここまで。



冬の明け方

残(のこ)んの雪が瓦(かわら)に少なく固く
枯木の小枝が鹿のように睡(ねむ)い、
冬の朝の六時
私の頭も睡い。

烏(からす)が啼(な)いて通る――
庭の地面も鹿のように睡い。
――林が逃げた農家が逃げた、
空は悲しい衰弱。
     私の心は悲しい……

やがて薄日(うすび)が射し
青空が開(あ)く。
上の上の空でジュピター神の砲(ひづつ)が鳴る。
――四方(よも)の山が沈み、

農家の庭が欠伸(あくび)をし、
道は空へと挨拶する。
     私の心は悲しい……

(「新編中原中也全集」第1巻より。新かなに変えてあります。)

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