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2018年2月25日 (日)

中原中也・詩の宝島/「冬の明け方」番外編/尾形亀之助の「東雲」

 

 

日の出の瞬間をとらえた詩は

たくさん存在することでしょう。

 

偶然見つけたのは

尾形亀之助(1900~1942)の次の詩です。

 

 

東雲(しののめ)

(これからしののめの大きい瞳がはじけます)

 

しののめだ

太陽に燈(ひ)がついた

 

遠くの方で

機関車の掃除(さうじ)が始まつてゐる

そして 石炭がしつとり湿(しめ)つてゐるので何か火夫がぶつぶつ言つてゐるのが聞えるやうな気がする

そして

電柱や煙突はまだよくのびきつてはゐないだろう

 

(中公文庫「日本の詩歌26 近代詩集」より。)

 

 

この詩は

第1詩集「色ガラスの街」に収録されています。

(※「色ガラスの街」は、「青空文庫」「国会図書館デジタルコレクション」でも読むことができます。「青空文庫」の「色ガラスの街」はKindle版にもラインアップされています。)

 

「色ガラスの街」は

大正14年(1925年)に発行されましたから

歴史的かな遣いで表記されています。

 

それでやや古めかしい感じになりますから

現代かな遣いで読んでみましょう。

 

 

東雲(しののめ)

(これからしののめの大きい瞳がはじけます)

 

しののめだ

太陽に燈(ひ)がついた

 

遠くの方で

機関車の掃除(そうじ)が始まっている

そして 石炭がしっとり湿(しめ)っているので何か火夫がぶつぶつ言っているのが聞えるような気がする

そして

電柱や煙突はまだよくのびきってはいないだろう

 

 

大正14年、1925年は

中原中也が泰子とともに上京した年です。

 

小林秀雄を知り

泰子は小林と暮らしはじめた年ですし

富永太郎が死亡した年でした。

 

 

今回はここまで。

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