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2018年12月15日 (土)

中原中也・詩の宝島/ベルレーヌの足跡(あしあと)/補足2・橋本一明の読み・その11

 

 

「神さまが言った……」を読み

「Crimen Amoris」を読んだのは

偶然だったのですが

ベルレーヌの詩の足どりは

この二つの詩を読み比べるだけでも

ベルレーヌの骨格の一部を知ることができるような

重要な要素があるような気がしてきました。

 

◇

 

「Crimen Amoris」は

ベルレーヌが1884年に刊行した詩集「昔とちかごろ」にあり

橋本一明はこの詩集から「ヴェルレーヌ詩集」のために

「万華鏡」、「詩法」とともに3作品を翻訳しています。

 

詩集題名の通り

過去と現在の作品を集めた詩集ですから

「Crimen Amoris」がいつ制作されたかわかりませんが

3作中でも末尾に置かれてあることから

刊行年に近い制作であると見ることが可能でしょうか。

 

橋本一明はこの年、1884年の年譜に

40歳。母からクーロームの土地を贈与される。醜聞にみちた浪費生活。

――とだけ記しています。

 

◇

 

橋本一明訳編の「ヴェルレーヌ詩集」は

全詩集ではなくアンソロジーですから

ベルレーヌの全詩篇が収録されているものではありません。

 

「Crimen Amoris」を

このアンソロジーの最終詩としたのには

ベルレーヌではなく

訳編者の橋本一明のなんらかの意図があるはずなのですが

それがどのようなものかは記されていません。

 

そう思いながら詩集の結末まで読んでみると

終り方がどことなくあっけないような気がしてきます。

 

それは何故でしょうか。

 

この理由と

橋本一明の死とは関係するのでしょうか。

 

◇

 

橋本一明が肺癌に斃れ急逝したのは1969年でした。

 

それからおよそ半世紀

生前の橋本一明を知る女性詩人により

「『二十歳のエチュード』の光と影のもとに」という書物が書かれました。

 

この「『二十歳のエチュード』の光と影のもとに」(2014年、洪水企画発行)にある年譜は

橋本一明の足跡を丹念に追っています。

 

その年譜の橋本一明死後の記述には

 

この年、渡辺一民との共編になる『シモーヌ・ヴェーユ著作集』全5巻が春秋社より刊行さ

れる。また講談社から『ヴェルレーヌ詩集』(執筆途中で倒れたため、その意をついで渡辺

一民、菅野昭正、滝田文彦、二宮敬ら友人が補い完成した)が刊行された。

――とあるのに遭遇し

講談社版の「ヴェルレーヌ詩集」というものがあることを知ります。

 

その内容はどんなものか

角川文庫の「ヴェルレーヌ詩集」は1966年発行ですから

それよりも深められたであろう研究(読み)の成果はどのようであるか

どのような違いがあるのか

最終詩を「Crimen Amoris」とする構成なのか、そうではないのかなどと

関心は深まるばかりですが

今それをひもとく材料がありません。

 

そのうち読んでみることにしたいと思います。

 

◇

 

途中ですが

今回はここまで。

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