中原中也・雨の詩の名作12/春の雨
春の雨
昨日は喜び、今日は死に、
明日は戦い?……
ほの紅の胸ぬちはあまりに清く、
道に踏まれて消えてゆく。
歌いしほどに心地よく、
聞かせしほどにわれ喘(あえ)ぐ。
春わが心をつき裂きぬ、
たれか来りてわを愛せ。
ああ喜びはともにせん、
わが恋人よはらからよ。
われの心の幼くて、
われの心に怒りあり。
さてもこの日に雨が降る、
雨の音きけ、雨の音。
(「新編中原中也全集」第2巻・詩Ⅱより。新かなに変えてあります。)
« 中原中也・雨の詩の名作11/梅雨と弟 | トップページ | 中原中也・雨の詩の名作13/間奏曲 »
「065中原中也・雨の詩の名作コレクション」カテゴリの記事
- 中原中也・朝の詩の名作29/春の消息(2020.01.01)
- 中原中也・朝の詩の名作24/怠 惰(2019.12.27)
- 中原中也・雨の詩の名作14/一夜分の歴史(2019.12.01)
- 中原中也・雨の詩の名作13/間奏曲(2019.11.30)
- 中原中也・雨の詩の名作12/春の雨(2019.11.29)


コメント