カテゴリー

2024年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 中原中也・朝の詩の名作10/青い瞳 | トップページ | 中原中也・朝の詩の名作12/冬の明け方 »

2019年12月13日 (金)

中原中也・朝の詩の名作11/春

春は土と草とに新しい汗をかかせる。
その汗を乾かそうと、雲雀(ひばり)は空に隲(あが)る。
瓦屋根(かわらやね)今朝不平がない、
長い校舎から合唱(がっしょう)は空にあがる。

ああ、しずかだしずかだ。
めぐり来た、これが今年の私の春だ。
むかし私の胸摶(う)った希望は今日を、
厳(いか)めしい紺青(こあお)となって空から私に降りかかる。

そして私は呆気(ほうけ)てしまう、バカになってしまう
――薮かげの、小川か銀か小波(さざなみ)か?
薮(やぶ)かげの小川か銀か小波か?

大きい猫が頸ふりむけてぶきっちょに
一つの鈴をころばしている、
一つの鈴を、ころばして見ている。

(「新編中原中也全集」第1巻・詩Ⅰより。新かなに変えてあります。)

 

« 中原中也・朝の詩の名作10/青い瞳 | トップページ | 中原中也・朝の詩の名作12/冬の明け方 »

066中原中也・朝の詩の名作コレクション」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 中原中也・朝の詩の名作10/青い瞳 | トップページ | 中原中也・朝の詩の名作12/冬の明け方 »