中原中也・朝の詩の名作26/朝(雀が鳴いている)
朝
雀が鳴いている
朝日が照っている
私は椿(つばき)の葉を想う
雀が鳴いている
起きよという
だがそんなに直(す)ぐは起きられようか
私は潅木林(かんぼくばやし)の中を
走り廻(まわ)る夢をみていたんだ
恋人よ、親達に距(へだ)てられた私の恋人、
君はどう思うか……
僕は今でも君を懐しい、懐しいものに思う
雀が鳴いている
朝日が照っている
私は椿の葉を想う
雀が鳴いている
起きよという
だがそんなに直ぐは起きられようか
私は潅木林の中を
走り廻る夢をみていたんだ
(「新編中原中也全集」第2巻・詩Ⅱより。新かなに変えてあります。)
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