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2020年1月17日 (金)

中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション15/残 暑

残 暑

 

畳の上に、寝ころぼう、

蝿はブンブン 唸(うな)ってる

畳ももはや 黄色くなったと

今朝がた 誰かが云っていたっけ

 

それやこれやと とりとめもなく

僕の頭に 記憶は浮かび

浮かぶがままに 浮かべているうち

いつしか 僕は眠っていたのだ

 

覚めたのは 夕方ちかく

まだ“かなかな″は 啼いてたけれど

樹々の梢は 陽を受けてたけど、

僕は庭木に 打水やった

 

  打水が、樹々の下枝の葉の尖(さき)に

  光っているのをいつまでも、僕は見ていた

 

(「新編中原中也全集」第1巻・詩より。新かなに変えてあります。原文「かなかな」の傍点は で示しました。)

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