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2020年1月18日 (土)

中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション16/雪の賦

雪の賦

 

雪が降るとこのわたくしには、人生が、

かなしくもうつくしいものに――

憂愁(ゆうしゅう)にみちたものに、思えるのであった。

 

その雪は、中世の、暗いお城の塀にも降り、

大高源吾(おおたかげんご)の頃にも降った……

 

幾多(あまた)々々の孤児の手は、

そのためにかじかんで、

都会の夕べはそのために十分悲しくあったのだ。

 

ロシアの田舎の別荘の、

矢来(やらい)の彼方(かなた)に見る雪は、

うんざりする程永遠で、

 

雪の降る日は高貴の夫人も、

ちっとは愚痴(ぐち)でもあろうと思われ……

 

雪が降るとこのわたくしには、人生が

かなしくもうつくしいものに――

憂愁にみちたものに、思えるのであった。

 

(「新編中原中也全集」第1巻・詩より。新かなに変えてあります。)

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