中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション29/想像力の悲歌
想像力の悲歌
恋を知らない
街上(がいじょう)の
笑い者なる爺(じい)やんは
赤ちゃけた
麦藁帽(むぎわらぼう)をアミダにかぶり
ハッハッハッ
「夢魔(むま)」てえことがあるものか
その日蝶々の落ちるのを
夕の風がみていました
思いのほかでありました
恋だけは――恋だけは
(「新編中原中也全集」第2巻・詩Ⅱより。新かなに変えてあります。)
« 中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション28/或る夜の幻想(1・3) | トップページ | 中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション30/初 夏 »
「068中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション」カテゴリの記事
- 中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション53/(短歌五首)(2020.02.24)
- 中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション52/夏の夜の博覧会はかなしからずや(2020.02.23)
- 中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション51/(秋が来た)(2020.02.22)
- 中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション50/初恋集 むつよ(2020.02.21)
- 中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション49/(一本の藁は畦の枯草の間に挟って)(2020.02.20)
« 中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション28/或る夜の幻想(1・3) | トップページ | 中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション30/初 夏 »
コメント