中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション41/(孤児の肌に唾吐きかけて)
(孤児の肌に唾吐きかけて)
孤児の肌(はだえ)に唾(つば)吐きかけて、
あとで泣いたるわたくしは
滅法界(めっぽうかい)の大馬鹿者で、
今、夕陽のその中を
断崖(きりぎし)に沿うて歩みゆき、
声の限りに笑わんものと
またも愚(おろ)かな願いを抱き
あとで泣くかや、わが心。
(「新編中原中也全集」第2巻・詩Ⅱより。新かなに変えてあります。)
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