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2020年2月20日 (木)

中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション49/(一本の藁は畦の枯草の間に挟って)

(一本の藁は畦の枯草の間に挟って)

 

一本の藁(わら)は畦(あぜ)の枯草の間に挟(ささ)って

ひねもす陽を浴びぬくもっていた

ひねもす空吹く風の余勢に

時偶(ときたま)首上げあたりを見ていた

 

私は刈田の堆藁(としゃく)に凭(もた)れて

ひねもす空に凧(たこ)を揚げてた

ひねもす糸を繰り乍(なが)ら

空吹く風の音を聞いてた

 

空は青く冷たく青く

玻璃(はり)にも似たる冬景であった

一本の煙草を点火するにも

沢山の良心を要することだった

 

 (「新編中原中也全集」第2巻・詩より。新かなに変えてあります。)

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