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2020年2月16日 (日)

中原中也・夕(ゆうべ)の詩コレクション45/小 景

小 景

 

河の水は濁(にご)って

夕陽を映して錆色(さびいろ)をしている。

荷足(にたり)はしずしずとやって来る。

竿(さお)さしてやって来る。

その船頭(せんどう)の足の皮は、

乾いた舟板の上を往(い)ったり来たりする。

 

荷足はしずしずと下ってゆく。

竿さして下ってゆく。

船頭は時偶(ときたま)一寸(ちょっと)よそ見して、

竿さすことは忘れない。

船頭は竿さしてゆく。

船頭は、夕焼の空さして下る。

 

 (「新編中原中也全集」第2巻・詩より。新かなに変えてあります。)

 

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