中原中也・春の詩コレクション24/春の雨
春の雨
昨日は喜び、今日は死に、
明日は戦い?……
ほの紅の胸ぬちはあまりに清く、
道に踏まれて消えてゆく。
歌いしほどに心地よく、
聞かせしほどにわれ喘(あえ)ぐ。
春わが心をつき裂きぬ、
たれか来りてわを愛せ。
ああ喜びはともにせん、
わが恋人よはらからよ。
われの心の幼くて、
われの心に怒りあり。
さてもこの日に雨が降る、
雨の音きけ、雨の音。
(「新編中原中也全集」第2巻・詩Ⅱより。新かなに変えてあります。)
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