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2020年4月18日 (土)

中原中也・夜の詩コレクション18/月

 

今宵(こよい)月は襄荷(みょうが)を食い過ぎている

済製場(さいせいば)の屋根にブラ下った琵琶(びわ)は鳴るとしも想(おも)えぬ

石灰の匂いがしたって怖(おじ)けるには及ばぬ

灌木(かんぼく)がその個性を砥(と)いでいる

姉妹は眠った、母親は紅殻色(べんがらいろ)の格子を締めた!

 

さてベランダの上にだが

見れば銅貨が落ちている、いやメダルなのかァ

これは今日昼落とした文子さんのだ

明日はこれを届けてやろう

ポケットに入れたが気にかかる、月は襄荷を食い過ぎている

灌木がその個性を砥いでいる

姉妹は眠った、母親は紅殻色の格子を締めた!

 

(「新編中原中也全集」第1巻・詩Ⅰより。新かなに変えてあります。)

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