中原中也・夜の詩コレクション85/(卓子に、俯いてする夢想にも倦きると)
(卓子に、俯いてする夢想にも倦きると)
卓子(テーブル)に、俯(うつむ)いてする夢想にも倦(あ)きると、
僕は窓を開けて僕はみるのだ
星とその、背後の空と、
石盤の、冷たさに似て、
吹く風と、逐(お)いやらる、小さな雲と
窓を閉めれば星の空、その星の空
その星の空? 否、否、否、
否 否 否 否 否 否 否 否 否否否否否否否否
⦅星は、何を、話したがっていたのだろう?⦆
⦅星はなんにも語ろうとしてはいない。⦆
⦅では、あれは、何を語ろうとしていたのだろう?⦆
⦅なんにも、語ろうと、してはいない。⦆
(「新編中原中也全集」第2巻・詩Ⅱより。新かなに変えてあります。)
« 中原中也・夜の詩コレクション84/お会式の夜 | トップページ | 中原中也・夜の詩コレクション86/(土を見るがいい) »
「067中原中也・夜の歌コレクション」カテゴリの記事
- 中原中也・夜の詩コレクション118/秋の夜に、湯に浸り(2020.08.01)
- 中原中也・夜の詩コレクション117/雨が降るぞえ――病棟挽歌(2020.07.31)
- 中原中也・夜の詩コレクション116/道修山夜曲(2020.07.30)
- 中原中也・夜の詩コレクション115/夏の夜の博覧会はかなしからずや(2020.07.29)
- 中原中也・夜の詩コレクション114/暗い公園(2020.07.28)
« 中原中也・夜の詩コレクション84/お会式の夜 | トップページ | 中原中也・夜の詩コレクション86/(土を見るがいい) »
コメント