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2020年7月 1日 (水)

中原中也・夜の詩コレクション88/(蛙等は月を見ない)

(蛙等は月を見ない)

 

蛙等は月を見ない

恐らく月の存在を知らない

彼等(かれら)は彼等同志暗い沼の上で

蛙同志いっせいに鳴いている。

 

月は彼等を知らない

恐らく彼等の存在を思ってみたこともない

月は緞子(どんす)の着物を着て

姿勢を正し、月は長嘯(ちょうしょう)に忙がしい。

 

月は雲にかくれ、月は雲をわけてあらわれ、

雲と雲とは離れ、雲と雲とは近づくものを、

僕はいる、此処(ここ)にいるのを、彼等は、

いっせいに、蛙等は蛙同志で鳴いている。

 

(「新編中原中也全集」第2巻・詩Ⅱより。新かなに変えてあります。)

 

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