中原中也・夜の詩コレクション92/(宵の銀座は花束捧げ)
(宵の銀座は花束捧げ)
宵(よい)の銀座は花束捧(ささ)げ、
舞うて踊って踊って舞うて、
我等(われら)東京市民の上に、
今日は嬉(うれ)しい東京祭り
今宵(こよい)銀座のこの人混みを
わけ往く心と心と心
我等東京住いの身には、
何か誇りの、何かある。
心一つに、心と心
寄って離れて離れて寄って、
今宵銀座のこのどよもしの
ネオンライトもさんざめく
ネオンライトもさざめき笑えば、
人のぞめきもひときわつのる
宵の銀座は花束捧げ、
今日は嬉しい東京祭り
(「新編中原中也全集」第2巻・詩Ⅱより。新かなに変えてあります。)
« 中原中也・夜の詩コレクション91/(とにもかくにも春である) | トップページ | 中原中也・夜の詩コレクション94/虫の声 »
「067中原中也・夜の歌コレクション」カテゴリの記事
- 中原中也・夜の詩コレクション118/秋の夜に、湯に浸り(2020.08.01)
- 中原中也・夜の詩コレクション117/雨が降るぞえ――病棟挽歌(2020.07.31)
- 中原中也・夜の詩コレクション116/道修山夜曲(2020.07.30)
- 中原中也・夜の詩コレクション115/夏の夜の博覧会はかなしからずや(2020.07.29)
- 中原中也・夜の詩コレクション114/暗い公園(2020.07.28)
« 中原中也・夜の詩コレクション91/(とにもかくにも春である) | トップページ | 中原中也・夜の詩コレクション94/虫の声 »
コメント