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カテゴリー「122新川和江の周辺/木原孝一」の記事

2017年7月31日 (月)

新川和江とその周辺/「始発駅」のころ・現代詩への確信

 

 

 

 

新川和江が小自伝「始発駅まで」を書いたのは

 

1976年6月のことで

 

第1詩集「睡り椅子」の出版(1953年)から

 

23年が経過していました。

 

 

 

この自伝の末尾に、

 

 

 

ぐらりと地軸が傾く気がした。昔、西条先生の口から、「ゲンダイシ」という言葉をはじめて

 

聞かされた時と、内容こそちがえ、同じ衝撃であった。

 

――とあり、つづけて、

 

 

 

けれども最早、途方に暮れることは無かった。「現代詩」と今こそ明瞭に表記し、発音出来

 

るという、確信のようなものをその瞬間に私は摑んでいた。それを、これからはじめるの

 

だ、と思った。

 

――と記されてある部分は重要です。

 

 

 

 

 

 

ぐらりと地軸が傾く感じは

 

「詩学」の編集に携わっていた詩人、木原孝一の言葉に接した中で得たものと記されてい

 

ます。

 

 

 

木原の言葉は、

 

 

 

新川さん、恋愛詩ひとつ書くにしても、なにか、こう、宇宙に通じるようなものを書かなく

 

ちゃ、ダメなんだよなァ

 

――というものでした。

 

 

 

この発言が1953年の「睡り椅子」発行の直後の

 

新進詩人、新川和江への「荒地」詩人のはなむけでした。

 

 

 

 

 

 

新川和江の記述で重要なのは

 

最後の部分に、

 

「現代詩」と呼べるものを

 

これから発信していくのだという確信が述べられているところです。

 

 

 

第1詩集を世に問うた時期に

 

現代詩を書くための確信が抱かれていたのです。

 

 

 

この確信は

 

20年余を経た回想として述べられましたが

 

そこに虚飾(虚偽)があるはずもなく

 

この20年余の間に

 

この確信は証明された(証明した)ことをも

 

この結語は明らかにしています。

 

 

 

 

 

 

「始発駅まで」の結語が示す時期に

 

もう少し焦点を当てて

 

新川和江の詩を読み

 

また彼女の詩人たちとの交流にも目をやりながら

 

現代抒情の行方を追ってみたくなりました。

 

 

 

 

 

 

途中ですが

 

今回はここまで。

 

 

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